行く宛など無いあたしは

ホテルを探すために

街をぶらぶら歩いた。



「るい?」


腕を掴まれたから

バッと振り向いた。



「お、お兄ちゃん!?」


「やっぱ、るいじゃん。

その大荷物なんだよー(笑)」


豪快に笑った後

優しく頭を撫でてくれた。



「嘘。

何があったか知らねぇけどさ

オレの家泊まってけ、な?」


「お兄……ちゃ……ん……

あり、……がと………」



安心してしまったあたしは

大泣きした。



人が見てるとか

そんなのどうでもよかった。