「雄平に渡したくねぇ。

オレはもう、るいを

失いたくない。」



あたしを強く抱き抱えて

ベッドへと連れて行った。



「蓮、電気消して?」


「今日は無理。

るいの全てを見たい。」



“今日は”

その言葉を聞いて

あたしは泣きたくなった。






蓮はきっと分かってる。






あたしがどんなに


蓮に優しい言葉を掛けられても







もう、雄平を選ぶということを……。