一瞬の出来事だった。 イスに座っていたはずの雄平が 蓮を殴りに来た。 蓮はニヤニヤ笑いながら 雄平へと近付いていった。 「るい、コイツが好きなのかよ?」 雄平が突然、 あたしへと視線を移した瞬間 今度は蓮が雄平を 殴りに行っていた。 「ゆ、へ…い…雄……平。」 絞るような声を出して はっきり言ってしまった。 「たしっ、蓮が好き。 多分すごく好きなの……」 ゆっくり、雄平へと 視線を向けると あたしを睨んでいた。