「…先輩…昨日……紗羽…何も知らない?」
涙をいっぱい目にためながら。
声が震えてる。
「知ってるはずないじゃん?だって、あたしは携帯も持ってないし…それに、先輩の連絡先も知らないもん。」
携帯…本当は持ちたいけど。
親は…まあ…アレだし。
お兄ちゃんもまだ早いって持たせてくれないんだもん。
携帯持ってたら、昨日のうちに絢音にどうなったか聞いてるよ。
「そっか…あのね……先輩…昨日の夜遅くに…紗羽のうちの病院に運ばれて。」
「うちの病院?ケガとか?」
部活でケガでもしたのかな?
「…心臓発作で…亡くなったって。」
堪えてた絢音の涙が一気にあふれ出した。
「もう、冗談やめてよ。」
笑い飛ばしたのに。



