夜10時42分。
救急車のサイレンが鳴り響いた。
うちの病院が近くだから、気にもしてなかったけど。
それでも今夜はうるさすぎて。
なかなか寝付けなくて。
次の日、寝不足状態で教室に入ると、絢音が真っ青な顔をしながら走ってきた。
「ちょっと…いい?」
「うん。」
昨日の先輩とのことも気になったし。
きっと、思わぬ展開でビックリして。
どうしたらいいか?
なんて、相談してくるんだと思った。
絢音に手を引っ張られ、廊下に連れ出された。
「あのね…大迫先輩。」
やっぱり。
昨日、うまくいったのかな?
「先輩がどうかしたの?」
なんて、聞いてみたり。
もう、焦らさないで教えてくれればいいのに。



