「うん。なんか、一人で渡す勇気がないって。」
「そうなんだ。少し妬けちゃうけど、紗羽が俺の分も作ってくれたことでチャラにしよう。」
ツンとおでこをつついた。
「本当に?」
ジッとお兄ちゃんの顔を見上げた。
「本当に。それに、今日は課題とかレポートが忙しくてかまってやれないからな。それでチャラってことでいいかな?」
ニッコリと笑った。
「…うん。」
今日は文句言えないや。
だって、大迫先輩に付き合いでもプレゼントしなきゃだから。
お兄ちゃんが我慢してくれてるって思ったら。
かまってもらえないのなんか。
本当は寂しいけど。
今日は絢音のために我慢。



