夕方6時30分を回った時。 コンコン… ドアをノックする音が聞こえて。 「紗羽…ちょっといいかな?」 珍しくお兄ちゃんが部屋に来た。 「どうしたの?」 「あ…うん。」 少し青ざめた顔をしながらドアの前に立ったまま。 「なにか…あったの?」 お父さんとか… お母さんとか… 何か言われた? また…あたしのせいで。 「亀井って男の子…知ってるか?」 「うん。」 土曜日に絢音と大迫先輩と一緒に出掛ける予定だったし。 それに、前にコクられたから。 覚えてる。