「ここにいてもつまらないだろ?遊びに行こう?」

「でも、葬式は?お兄ちゃん行かなきゃでしょ?」

キョトンとした顔をして。

静かに入ってくるお兄ちゃんを見つめた。

「バーカっ!!紗羽は生きてるのに、どうして葬式なんか出なきゃいけないんだ?」

「でも、あたしはいらない子だから…。」

小さな小さな胸が、チクンと痛くなる。

分かり切ってたのに。

言葉にすると胸にトゲが刺さるみたいに痛い。

だから。

お兄ちゃんの顔から視線をそらしたのも、それを悟(さと)られないため。

「いらないなんて、俺は言ってないよ?さあ、行こう。」

そう言って差しのべられた手が。

とても温かくて。

離したくなくて。

ギュッと握りしめた。

…でも、家族からはその日から。