やっぱり、霧生って名前は、あの霧生学だったか。 本当はそのまま、蒔宮紗羽のことを聞きたかったけど。 自分から話してくれるまで待つことにする。 きっと、何か事情があるに違いない。 もしかしたら、本当に何度か会っただけの顔見知りかもしれない。 二人は同一人物なんて勝手なオレの推測で、今の綾瀬唯を傷つけるつもりもない。 きっと、いつか話してくれる日が来ると信じている。 それまでは黙っていよう。 そう決めながらつないだ手。 戸惑った顔をしながら握り返した綾瀬唯の手は少し温かかった。