女の人と一緒なのを見てから、あたしは変だ。

海翔はまだ彼女じゃないなんて言っていたけど。

彼女ができたら、あたしはここにいられないじゃん?

もう、海翔と会えなくなるのかな?

不安で仕方なかった。

『早く帰ってきて…(TдT)』

なんて、可愛らしくメールなんか送っちゃっている。

まるで、海翔に恋しているみたいじゃん!?

あり得ないから!!

『ごめん。遅くなる。』

そうメールが返ってきた。

「ハア…仕事かな?」

なんて。

不思議なことに、少し落ち込んでいる。

どう返していいか分からなくて、そのまま夜になっちゃった。

ガチャ…

玄関が開いた。

海翔は遅いはずなのに。

まだ7時過ぎだよね?

「大丈夫か?」

そう言いながら、廊下のドアを開けたのは海翔。

「なんだ、帰ってきたんだ。」

ボケーっとテレビを見ながら、ポテトチップを食べているあたし。

「人が心配して早く帰ってきたのに、なんだよその態度。」

深いため息をつきながら。

ソファに腰を下ろした。

「だって、帰り遅いって言ったじゃん。」

深く眉をゆがませながら、ムッと口をとがらせた。

「何かあったと思ったのに、オレにだって、いろいろ都合ってモノが…」

チラッと視線を外しながら。

モゴモゴと口元を動かして。

言葉にならない言葉を話している。

「もしかして、あの彼女とデートだった?」

クスッと笑いながら、モゴモゴと口を動かしている海翔の顔を見た。

「そうだよ!!悪いかよ。」

眉をゆがませながら。

ジッとあたしをにらんだ。