「犯罪だよ!!!」
軽蔑(けいべつ)した顔をし、思いっきり冷ややかな口調。
「誰がお前なんかに欲情するか!!」
大声を上げた。
さっきまでの緊張は一気に静まったけど。
やり場のない怒りが込み上げる。
「あっそう。」
たった一言。
冷たく返ってきた
まあ…確かに綾瀬唯は、服の上からは分からないくらいスタイルはよかった。
色白で華奢(きゃしゃ)そうに見えるが意外に肉付きよく、抱き心地良さそうな男受け間違いなしの体型だ。
17歳じゃなければ…
なんて、思ってしまう男の性って悲しいもの。
ハアッとため息をついた。
「どこかに行くのか?」
着替えてメイクを始めた綾瀬唯に何気なく聞いた。
「関係なくない?」
淡々と答えながら、鏡を見てメイクをしている。
「また、このまま出かけて夜遊びですか?17歳が。」
棘のある言い方だったか?
でも、これくらい言わないと、綾瀬は分からないだろう。
「関係ないでしょ!!」
ムッと口をとがらせながら、少し声のトーンが上がった。
「補導するぞ!!」
冗談半分。
本気3割。
残りの2割は補導でもされて、ここの住所を言われたくない願いだ。
「補導されたら、ここの住所を答えるから。」
やっぱりそうか!!
グッと込み上げてくる怒りをこらえながら、ベッドから出るとオレも出かける準備を始めた。