「非行に走ろうとしている、イタイケな少女を助けようと思わないの?」

ジッと海翔の顔を見ながら。

力いっぱい眉をゆがめた。

「どこがイタイケな少女だよ。だいたい、お前と住んでも、オレにはなんのメリットもない。」

鼻で笑いながら冷たくあしらう。

「お人好しとか自分で言っていて、全然、お人好しとかじゃないじゃん!!!単なる偽善じゃん!!」

ムッと膨れ上がりながら、声を荒げた。

「なっ……ああ、わかったよ!!一緒に住めばいんだろ?住まわせればいいんだな。わかったよ!ただし、ここに住んでいる事は、誰にも言うなよ!!」

偽善と言う言葉が、地雷を踏んだみたいで。

ムキになって大声で言い返してきた。

言い終わった瞬間、ニヤリと笑うあたしの口元を見て。

ハッと我に返ったみたいで。

思わず言っちゃたな…。

あたしがそう思うのは簡単なくらい。

顔色が青ざめて行く。

思わずだろうと、言わせちゃった者勝ち!?

ってわけで…。

「はぁ~い♪」

ニッコリ笑いながら、海翔を押しのけて部屋に入っていった。

部屋の中に入ると、早速、冷蔵庫に直行。

もう、お腹が空きすぎて目が回りそう。

「何やってんだよ?」

驚いたのは、冷蔵庫を開けたからじゃない。

開けた冷蔵庫から、あたしが手に取った物。