「何時間て…勝手に待っていたのはお前だろ!?」

眉を深くゆがませながら。

少し声を荒げた。

「お腹空いたし。」

そんなの気にしないとばかりに。

平然とした顔をしながら、さっきからキュルキュルと鳴り止まないお腹を両手で押さえた。

「……。」

完全に聞こえないかのように、サッとあたしをかわして。

玄関のドアの鍵を開けた。

その後ろ姿に、ムッと口をとがらせて。

ドンっとドアに手を置くと、片足のつま先をパタパタさせながら

「早くごはんが食べたい!!」

ダダをこねる子供みたいな口調で猛烈に催促(さいそく)するけど。

「家に帰るんだろ?」

呆れた顔をしながら、冷たい視線をあたしに向けた。

「だから、今日からここがあたしの家になったから。」

ニコッと笑うと、思わず口から出ちゃった。

だって、何を話したらいいか分かんないし…。

自分でもとんでもない言葉を口走ったと思った。

でも、口から出ちゃったものは仕方がない。

当然、海翔もとんでもない言葉にポッカリと口を開けて。

「だいたい、いつオレが許可をした?ここは、オレの家だ!!!」

ドアについたあたしの手をどけ中に入って行こうと、ドアを閉めようとした瞬間。

ガツッ!!!

ドアの中に足を突っ込んだ。