バタンッ!!!!!!!!!!
勢いよく冷蔵庫のドアを閉めると、無言で家を出て行った。
だって、あの尚吾が一晩中一緒の部屋にいて、何も無いわけないし…。
それに、裸でいたんだから。
やっぱり、誰とでもヤレるんじゃん。
…最低だよ。
悔しさのような、悲しさがこみ上げてきた。
いつものビルに行くと、珍しく誰もいなかった…。
朝も早いし当然か。
ソファに座り膝を抱えてうずくまっていた。
考えている事は、尚吾の事。
別に、付き合っているわけじゃないし。
浮気でもなんでもないのに…。
それなのに、お姉さんが言ったようにヤキモチ妬いている自分。
好きだなんて認めたくない感情が押しつぶして、余計にイライラする。
こんなに考えちゃうのに。
こんなに苦しいのに…。
それでも、認めたくはない----。
せめて、尚吾が誰かと付き合ってしまえば、諦められるんじゃないかな?
どんなに辛くても、前に進める気がする。
携帯を手に取ると、何故かミュウに電話した。
♪♪~♪♪♪~♪
♪~♪♪♪♪~♪♪
「…もしもし。」
寝ぼけた声のミュウ。
「ごめんね。ちょっと、聞きたいことがあってさ…。」
「何ですか?」
「ねえ、ミュウって尚吾の事が好き?」
あたしってば、何を聞いているんだろう?
「なっ!!何をいきなり聞くんですか?」
慌てるその声は、電話の向こうで真っ赤な顔をしているのが伝わるくらい。
「だったら、尚吾と付き合ってみない?」
心にもないことが、次々に口から出てくる。



