夜の9時くらいだった。

亮太がビックリした顔をして『G』の部屋に突っ立っている。

…原因はミュウ。

あまりの可愛さに直立不動。

「大丈夫か?」

秀が顔を覗き込みながらじっくりと亮太を観察している。

「このコ、頼むわ。」

ミュウの肩を抱き、尚吾が亮太の前に連れて行った。

「……あの……。」

ミュウが、モジモジしながら、サッと尚吾の後ろに隠れた。

「どうした?」

不思議そうな顔をしながら、ミュウの顔に振り向いた。

「だって…だって………この人…………怖いんだもん。」

ギュッと、尚吾の背中に抱きついた。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

凄まじい悲鳴と共に、亮太が頭を抱えてうずくまった。

「…どうしたんだよ。」

恐る恐る、秀が肩を叩いた。

「だって……だってさ、こんな可愛い子に、怖いって…。」

まるで、人生が終わったような。

世の中の女の子から嫌われたと言わんばかりに、泣きそうな顔をしながら顔を上げた。

「きっと、人見知りなんだよ。」

秀がポンと肩を叩きながら、優しく慰めた。

「やっぱり、俺は女の子に嫌われるんだ!!!!」

秀はモテるからって言いたそうに。

頭を抱えながらうずくまった。

「あたしは、好きだけどな。それじゃダメ??」

ソファに座りながら、ボケッとしていたあたしがポツリとつぶやた。

その声が聞こえたみたいで。

「本当に?」

キラキラと目を輝かせながら、顔を上げてあたしを見た。