心では気持悪くて仕方ないはずなのに、体が求めてしまっていた。
この感覚でなければダメ。
貪るようにお兄ちゃんの全てを飲み込んでいく。
これが、お兄ちゃんがあたしに教えて込んできた事。
あの時は分からなかったけど、こんなにもお兄ちゃんが刻み込まれていたなんて。
心の中の抵抗と言う言葉さえ真っ白にしてしまう。
それは一晩中、会えなかった日々を埋めるかのように、激しく熱く求め合っていた。
こんな事、誰にも言えない…。
朝になると、全身を脱力感が襲っていた。
お兄ちゃんは、病院に行ったみたい。
ベッドから起き上がろうとした瞬間、変な違和感が首にある。
昨日、投げ飛ばされたから?
ほっぺは腫れて、口元も切れてチクチクと痛むけど。
首って?
ゆっくりと首に手を当てて。
ジャラ…。
冷たい金属の音が耳に入った。
パッと鏡を見て驚いた。
それを見た瞬間、もう逃げられないと真っ青になった。
前回はドアに鍵を掛けられて、監視カメラが廊下に付けられていた。
だから窓からなんとか脱走したんだけど。
今度は完全に動けない。
首には首輪が付けられて、ベッドの足元まで長い鎖で繋がれている。
かろうじて、部屋中を歩き回れる長さの鎖。
首輪を外そうと手を伸ばしてみた。
「……外れない。」
ベルト状じゃなくて。
止めるところがチェーン状になっているから。
そこに南京錠のようなもので鍵をかけられている。
『絶対に逃がさない。』
お兄ちゃんがそう言っている。
ここまで異常になっているなんて…。
やっぱり、尚吾の事を疑っている。
もしかして、今、尚吾達に何かしているの!?
慌ててバックの中を探した。



