次の日、丘芹の約束通り美緒ちゃんとご飯を食べに行った。
場所はこの間のカフェ。
丘芹と亮太と尚吾と4人で先に着いて待っていた。
秀は女と約束で少し遅れると連絡がきていから。
10分くらい待ったかな?
「ごめんなさい。待たせちゃって。」
美緒ちゃん達が、小走りでやってきた。
席に座るなりあたしの顔をみて、ニッコリと微笑んだ。
「この間は、急用で帰っちゃってごめんなさい。」
あたしがペコッと頭を下げた。
「大丈夫だよ。気にしないで。」
美緒ちゃんはニッコリ笑った。
釣られてあたしまでニッコリ笑ってしまう。
「今日はね、私も会いたくってお願いしていた人が来るんだよ」
智香ちゃんが嬉しそうに言うと
「ダレ?ダレ?」
亮太がテーブルに身を乗り出して聞く。
「来てのお楽しみ。」
もったいぶった口調でクスクスと笑った。
「なんだよ。教えてくれたっていいじゃん。」
丘芹がちょっとスネて口をとがらせる。
それとほぼ同時くらい。
「ほら、来たよ。」
美緒ちゃんが立ち上がって、あたし達の後ろに手を振っている。
みんなが振り返ると、スーツを着た男の人が歩いてきた。
「…嘘でしょ。」
ポツリと口から言葉が漏れてしまう。
体中に一気に緊張が走った。
「誰だよ。唯の知り合いか?」
何気なく尚吾が耳元に問いかけてきた。
「お兄ちゃん。」
一言、ボソッと答えた。
もう、それが精一杯の動き。