「だって、中出し王子の彼女って目で見られるんでしょ?最悪じゃん。」

サラッと言ったはずのその一言に、その場が凍りつく。

「だから知られるのイヤだったんだよ!!」

両手で顔を覆いながら、隣に座っていた丘芹の胸の中に飛び込んだ。

「あぁいう女を好きになる自分だ。頑張れ!!」

丘芹が尚吾の肩を叩きながら、シミジミ励ました。

「ありがとうな。オレ…負けない。」

「だよな!俺も頑張るからさぁ。」

抱き合いながら、泣いたふりして励し合っている。

「2人で抱き合って楽しい?」

あたしの表情は相変わらず。

冷たいまま。

「キモイ!!」

丘芹と尚吾がハモった。

亮太が笑い出し、みんなが釣られて笑い出した。

その後すぐ、丘芹が智香ちゃんにメールを送った。

返事がすぐに来て、3日後にみんなで会うことになった。


約束の日。

昼にランチでもって、カフェで待ち合わせ。

「カフェなんて、亮太と丘芹に似合わない。」

尚吾と秀3人でなんて笑っていた。

少し遅れて3人で行くと、モデルさんみたいに可愛い2人。

スラッとした長い手足に、8頭身の身長。

小顔じゃなくて拳(こぶし)顔?

って、くらい顔がちっちゃい。

確にかわいい…。

「この子は、尚吾の彼女なんだ。」

予定通り亮太が紹介してくれて。

2人の小さな顔があたしに向くと

「あれ!?秋洋君の妹だよね?」

美緒ちゃんがびっくりした顔をした。