亮太達の一目惚れだったとか。

亮太は美緒(みお)ちゃんて女子大生がお気に入りで。

丘芹は智香(ともか)ちゃんがお気に入りらしかった。

その女子大生2人も仲良し同士だったらしく、いつも4人で会ってた。

毎日ノロケ話か?

悩み相談しかしない。

「そんなに可愛いの?」

何気なくあたしが聞いた。

「そりゃ~、半端じゃないよ!」

鼻息荒く丘芹が力説した。

「今度、みんなに会わせてやるよ。」

亮太が言うと

「秀と尚吾に会わせたら、持ってかれそうで嫌だな。」

丘芹が明らかに嫌そうな顔。

「あり得ないから!!」

秀と尚吾がハモって笑い飛ばす。

「智香ちゃんが、絶対に秀と尚吾を気に入るから!!!!」

力強く嫌がる。

その嫌がる気持ちはよく分かる。

確か…ちょっと前も。

何ちゃんだったか忘れたけど。

たまたま『G』でバッタリ遭遇して。

みんなで飲んでたまでは良かった。

気がついた時には、丘芹と亮太の連れていた女の子は。

ベッタリと秀と尚吾に寄り添っていた。

それ以外にも、秀と尚吾の親友っていうだけで利用されて。

秀と尚吾に近づきたいって、丘芹と亮太に近寄ってくるんだもん。

そんなのばっかりだったら、嫌がるのも当たり前だよ。

でも、人の興味本位っていうのは消え去らないもので。

「じゃあ、あたしだけ見に行こうかな?秀の彼女くらいの事言えば、勘違いされないでしょ?」

「いいんじゃん!!で、秀も一緒に来ちゃえば。」

亮太の何気ない発言に、恨めしそうな顔で尚吾が見てる。

「オレはいいや…しょっ…尚吾の彼女って事で。」

尚吾の熱視線に焦る秀。

「そうだよな!!秀は、彼女と待ち合わせくらい言って来いよ。」

尚吾が満面の笑みを浮かべながら、ポンポンと秀の肩を叩いてゴキゲンになった。

「うわっ!嘘でも尚吾の彼女になるなんて、人生の汚点だし。」

今度は、あたしが明らかに嫌そうな顔。

一斉にみんなの顔が引きつる。

「キッツイなぁ~。」

秀が目をパチパチさせながら、ボソリと一言。