「違います!!!」

ハッキリ・キッパリ否定した。

「おっかしぃ~なぁ~。尚吾さん、ご機嫌に彼女だって言ってましたけど。」

アイツめ!!!

勝手に付き合っている事にしやがったな!!!

「ほら、彼女いっぱいいるから、誰かと勘違いしたんじゃん?」

爽やかな笑顔を浮かべながら、ポンっと男の肩を叩いた。

「そうなんですか…。」

急に切なそうな顔を浮かべながら、少しうつむいてしまった。

この人は悪いわけじゃないんだけど。

どうして間違いで、そんな顔をするのかな?

きっと、尚吾になにかされるんだ。

悪魔のような笑顔を浮かべる尚吾の顔が頭の中にチラつく。

ハアッと大きなため息をついた。

まあ…ここで会ったのを言わなきゃいいわけだし。

それより、この人ならあのドアの先を知っているのかな?

尚吾とか知り合いっぽいし。

「ねぇ、聞きたいんだけど、あのドアの向こうってさぁ…。」

言いかけた時…