「女心は、女にしか分らない。モテる奴は、モテない男の苦労は分らない。」

いつの間にかこの4人のメンバーといるのが普通になって。

この4人の溜り場兼、尚吾の家にも行くようになっていた。

家って言っても、ちょっと変わった家。

5階建てのビル。

そのビルの3階のワンフロア。

階段を登ってフロアのドアを開けると、いつものメンバーがフロア奥のテーブルを囲んで集まっている。

窓際には、大きな黄色いソファがあって。

そのソファが、あたしのお気に入り。

窓を開けると、心地よい風が吹いてきて。

フッカフカのソファに座って、窓の外を見ているのが好き。

ビルの窓に反射する太陽の光がキラキラと眩しいくらい光っていて。

ボーッとしながら、窓の外の喧騒を聞いていると。

何もかもを忘れさせてくれる。

「聞いてくれよ~!!」

半泣きしながらバタン!!っと、勢い良くドアを開け亮太が入ってきた。

「どうしたの?」

いつもの事に驚くこともなく窓の外を見ていた。

どうせ、女の子がどうとかって話だし。

「それがさ、なっちゃんが酷いんだ。客から貰ったプレゼントの方が高いからって、俺のプレゼントしたブランド物売っちゃってさぁ…」

また、キャバ嬢『夏彌(ナツミ)』の話か。