ボンッ!!!!!!

思いっ切り男のみぞ落ちに肘鉄(ひじてつ)を喰らわせた。

「ウホッ!!!!」

みぞ落ちを抱え込みながら、ドンッと壁にぶつかった。

見事命中!!

うずくまる男の胸倉を掴んで細い路地から引きずり出した。

「ちょっとアンタ、今なんて言った!?」

するどい視線で、つかみ上げた男をにらみつけた。

カラダの痛みと、予想外の出来事だったみたいで。

男は焦点が定まらない。

「べ…べつに…。」

シドロモドロに答える男。

ゴンッ!!!!!

力いっぱいビルの壁に男をぶつけた。

「尚吾とか名前言ったよな?」

恐ろしい冷たくトゲのある口調。

「…あっ…。」

しくじった顔をしてうつむき、口ごもってしまった。

男の胸倉を掴んだまま、上から下まで一通り男を見た。

「ねえ…いいもん持ってんじゃん!?このネックレスって、ヴィトンの新作でしょ?」

「…。」

何も答えない男の顔を覗き込むと、グイッとあごを持ち上げ激しくキスをした。

男はビックリして硬直状態。