ツウウ…っと、ほっぺに温かい雫が一粒だけ。
流れて行く感覚。
自分でも、何でだか分かんない。
きっと、あたしの体は、お兄ちゃんに刻み込まれたデータが、細胞ひとつひとつから反応しているせいで。
こんな状態でも、カラダの奥から熱を放ち始めている。
節ばった大きな手が、スッとスカートの中に入ってきて。
熱を放ち始めたくぼみへ向かうかのように、内ももに直接触れた。
「…ハァ…ハァ…ハァ。」
男の荒い息が耳にかかる。
ねじ込むように、あたしの中へと男の指が入ってくる。
噛み切れるかと思うくらい、強く唇を噛みしめて。
放たれそうな熱を必死にこらえて。
カラダの中を渦巻くかのように。
熱が甘い呼吸となって口からもれないように。
歯を食いしばった。
「スッゲェ~いいカラダ…尚吾に感謝。」
呼吸の荒い男の口から、ボソリと途切れ途切れに聞こえた。
しょうご…?
その名前を聞いた瞬間、抜けたあたしの魂が戻ってきたかのように現実に戻ってきた。



