「何ですか?」

思わず後ろの男に声を掛けてしまった。

「順番待ち。」

サラッと答えた。

「はぁ!?」

少し驚きながら、眉をゆがませた。

「どうせ、コイツと遊ばないだろ?だから順番待ってるの。」

真剣な顔して、そんな冗談言うなんて。

面白くて思わず笑って話しそうになった。

コイツもナンパ男だよね?

なんて冷静に思った。

当然、そのままシカトでゲーセンを出てった。

まあ…見た目も悪くないし、女の子なら付いて行っちゃうんだろうけど。

あたしは無理!!

恋愛どうこうがイヤで、家を出てきたんだから。

ちょっと気分は悪かったけど、気を取り直して買い物でもしようかな?

夜にはホテルに戻って、ルームサービスでご飯を食べて。

ああ…

親がお金持ちで良かったと思う。

餞別(せんべつ)代わりに、少々お金を拝借してきたから。

お腹いっぱいになると、バタンとベッドに横になって。

考えても答えの出ないこれからを考えて目を閉じた。

気が付いたのは朝。

寝起きの気だるい体を起こして。

…今日は、何をしようかな?

何も思い付かず、ファミレスで時間をつぶすことにした。