「ほら、行くぞ。」
ポンッと投げられたヘルメット。
上手くキャッチして急いでかぶると、霧生くんのバイクの後ろに乗った。
今日で2回目。
初めて会った時も、こうやってバイクの後ろに乗ったけど。
あの時より自然に、ギュッと強く霧生くんの背中にくっついた。
バイクが止まったのはファミレスの駐車場。
霧生くんがバイクを降りると同時に
「チーズハンバーグとイチゴパフェだろ?」
「なんで分かるの!?」
「顔に書いてある。」
グニャッと人差し指で鼻をつぶして笑った。
「書いてないもん!!」
ムキになりながら、つぶされた鼻を両手で押さえた。
「お子様ランチも、たまにはいいんじゃない?」
絶対に嫌味だ。
笑いをふくんだその言い方。
「女の子として扱えないの!?」
ムッとした顔で霧生くんを見上げた。



