霧生くんの怒りはレベル『6』

あたしの後ろから手を回すと、はがいじめにした。

「ちょっ…なっなに?」

慌ててもがくけど霧生くんの力が断然上。

ピクリとも動かない。

「お~し~お~き~じゃ~!!!」

思いっ切り、あたしのわき腹をくすぐり出した。

「あはっはっははは…ご…ごめん。」

くすぐったくて、足だけがバタバタと動いている。

逃げたくても霧生くんの腕がほどけない。

逃げようと抵抗する反動で、バタンとベッドに倒れ込んだ。

グッと近づく霧生くんの顔。

「二度とイタズラしないか?」

ピタリとわき腹をくすぐる手が止まった。

「んう…うん…。」

笑って言葉にならない。

ただ、小さく小刻みに首を縦に振った。

「よ~し。」

やっと霧生くんのお仕置きから解放されると、顔は笑い涙でグチャグチャ。

涙をふきながら、ジッと見上げた霧生くんの顔。

顔の距離は、数センチしか離れていない。

こんなに近くで見たのは初めてで。

窓から差し込む月明りのせいだと思う。