「あたしも全然、大丈夫!!」

声は小さいけど。

ニッコリ笑顔でリアクションだけはデカイ。

「じゃあ、大丈夫って連絡しておくわね。時間と場所を聞いたら教えるから、2人で楽しんできてね。」

ええっ!?

2人で…?

「ダメ!!ダメ!!ダメ!!2人だなんて。」

思わず力強く否定しちゃって。

慌ててモガッと口を押さえた。

周りは一瞬ビックリして注目したけど、すぐにいつもの他人のフリ。

2人でなんて意味ないよ。

冬槻先生と霧生くんをくっつけるためのお食事会なんだから。

「どうして?せっかく霧生くんとご飯食べに行けるのに?」

不思議そうに首をかしげた。

「ほら、2人だと緊張しちゃうし。それに霧生くんとご飯食べに行ったなんて親の耳に入ったら、霧生くんのクビが飛んじゃうし…。だから冬槻先生と霧生くんがご飯を食べに行っている所に、たまたま遭遇したってことで。」

慌ててとりつくろって、自分が何言っているかも分ってない。

だけど上手く理由を付けられた。

こういう時だけ親に感謝!!

「そうねぇ…そう言う事なら…仕方ないわ。」

ちょっと気分の乗らなそうな返事。

だけどコジ付けだろうと無理矢理だろうと、なんとか冬槻先生が来てくれればいい。

お互い好き同士なんだから、来ちゃえばこっちのもの。

ウッヒャッヒャッヒャッヒャ。

なんて、心の中で怖い企みの笑いをしていた。