「これはあげるから。気を付けて帰るんだよ?」
ポンと手の中にアイスのカップを置くと、スッと玄関の扉を指差した。
「何それ?あたしに帰れと!?」
ムッと口をとがらせて。
目を大きく開いた。
「そういうこと。」
「ひどい!!せっかく、冬槻先生の情報を持ってきたのにさぁ。」
プイっとソッポを向きながらふてくされた。
「それはどうも。病院でも言えるだろ?」
「病院だと、色々とめんどうでしょ?」
「なにが?ここに中学生が出入りしてることの方がめんどうだろ?」
「どうして?」
「変な噂になったら困るだろ?」
「病院の方が、変な噂が立ちやすいと思うけど。」
あの嫌味な看護師達は、噂話が大好きだし。
病院て意外と小さな町みたいな感じで。
どこの誰の見舞いのケーキは高いだとか。
退院した誰々が今は仕事でどうだとか。
あっという間に病院中に広がるから。
だから気を使って、霧生くんの家で待っていたのにさ。
病院で話せってどうして?



