「24歳。」
「彼女いるの?」
「フラれたばっかり…。」
「なんで小児科の看護師になったの?」
「子供好きだし、医者になるほどの頭はなかったから。」
「お家どこ?」
「病院の近く。」
ファミレスを出るまでずっと質問してた。
そうじゃないと、会話が持たない気がして。
だからなのかな?
霧生くんも飽きもせず答えてくれた。
その時間が、今まで感じたこともないくらい温かいものがあって。
ここに来る前に鳴っていた意味の分からなかった小さなドキドキが。
胸の中で踊り始めてしまったかのように、ファミレスを出るころにはその意味すら考えることも忘れていて。
「ねぇねぇ、もう帰るの?」
なんか遊び足りなかった。
いつもなら、他の人となんて速攻帰りたかったのに。
何だろう?
きっと、お兄ちゃんがかまってくれないから?
寂しさを紛らわせたいだけ。



