「いいですよ。今日、日勤だし。」
何かを思いついたかのように。
急に優しくほほ笑んだ。
だけど、あたしの顔は引きつりそう。
だって本気で言ってるの!?
意外すぎる返事なんだけど。
だいたい今までの病院の人間なら、挙動不審になるのに。
あたしと関わったら、クビになるから。
だけど、あたしを疎ましく接すると、お兄ちゃんに睨まれる。
異常なくらいお兄ちゃん溺愛の院長…あたしの父親。
お兄ちゃんが嫌がるヤツもクビだから。
さすがに、お兄ちゃんはそんな傲慢(ごうまん)な事は止めるけど…。
でも、居づらくなって辞めちゃうんだけどね。
そんなワケで、あたしが話しかけただけでみんな困惑するのに。
…それを見てるのが楽しいんだけどね。
あたしなりのイジワルなつもり。
なのに3年も働けば、あたしの事を知っててもおかしくないのに。
霧生くんは困惑もしない。
「本気で言ってる?」
まさか、からかい返し!?
「本気でしょ?それとも、冗談の方が良かったかな?」
なんて、優しく笑ってる。
「別に。あたしが中学生だと思って、口約束しておけばいいくらいに思ってるんじゃないかなって…。」
ただ…



