微妙な顔つきのシリウスに先導され、うきうきと足取りも軽く向かったお店は、想像以上だった。
2階にあるそれは、旅に必要なものから、食糧、お土産まで、ありとあらゆるものを売っているようで、兎に角広い。
とりあえず、アランから言われたことを伝えようと、先に、メイの姿を探してみる。
広い売り場の中、メイたちならきっと、お土産のところか、服の売り場あたりにいる筈だ。
きょろきょろしながら進んでいると、綺麗なアクセサリーや可愛いお人形が次々に目に飛び込んでくる。
とても、とーっても、興味を引かれるけれど、短い時間の中で目的を果たさねばならないのだと思い、ぐっと我慢をしながら赤毛を探す。
皆が皆同じ姿の中、目印は髪の色のみだ。
途中、兵士たちの塊があって、一体何を売っているのかしらと、興味深く覗いてみると、革製品がずらりと並べられていた。
誰もが、革小物を手にとって楽しそうに吟味している。
「シリウスさんは、見なくてもいいのですか?」
気になってしまい、声をかけてみると、一足先にここに来て買い物を済ませた、との答えが返ってきた。
下着と服の売り場のところに数人のメイドの姿を見つけたけれど、メイの姿はない。
ついでに、リードの姿も、ない。
いろんなものに目を奪われつつ、懸命に探していると、背の高い棚の向こうに、赤毛がちらちらと動くのが見えた。
「メイ!」
呼び掛けながら近付いていくと、「エミリー様!」とニコニコの笑顔が返ってくる。
体調は回復したようで、良かったと胸を撫で下ろした。
メイが一人でいた売り場は、女の子が喜ぶようなところではなかった。
棚には、例のへんてこなオブジェのミニチュア版がたくさん置いてあるし、四角をモチーフにした様々なグッズが置かれていた。
ここの、オリジナル製品、のようだけど・・・?
「・・・メイ?これを、買うの??」
「そうです。ジェフのお土産にするんです。いいですか、エミリー様。これは、ここにしかないものなんですから、今しか、買えないんです。しかも、見てください!ギディオン王国王子様ご成婚記念!のオブジェがあるんですよ!これは、今年、限定なんです」
館長さんがこっそり教えてくれたんです、見逃せません!
そう言いながら選ぶメイの瞳は、とっても真剣だ。
ジェフにお土産にするのなら、あちらの革製品のほうがいいのでは?と思ったことは、言わないことにした。
きっと、メイなりの心があるのだろうから。
兎に角、と、急いでシャルルに関することをメイに知らせて、今度は、リードの姿を探す。
と。
棚の向こうから、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
ようやく、見つけた。
「―――リードさん!」
2階にあるそれは、旅に必要なものから、食糧、お土産まで、ありとあらゆるものを売っているようで、兎に角広い。
とりあえず、アランから言われたことを伝えようと、先に、メイの姿を探してみる。
広い売り場の中、メイたちならきっと、お土産のところか、服の売り場あたりにいる筈だ。
きょろきょろしながら進んでいると、綺麗なアクセサリーや可愛いお人形が次々に目に飛び込んでくる。
とても、とーっても、興味を引かれるけれど、短い時間の中で目的を果たさねばならないのだと思い、ぐっと我慢をしながら赤毛を探す。
皆が皆同じ姿の中、目印は髪の色のみだ。
途中、兵士たちの塊があって、一体何を売っているのかしらと、興味深く覗いてみると、革製品がずらりと並べられていた。
誰もが、革小物を手にとって楽しそうに吟味している。
「シリウスさんは、見なくてもいいのですか?」
気になってしまい、声をかけてみると、一足先にここに来て買い物を済ませた、との答えが返ってきた。
下着と服の売り場のところに数人のメイドの姿を見つけたけれど、メイの姿はない。
ついでに、リードの姿も、ない。
いろんなものに目を奪われつつ、懸命に探していると、背の高い棚の向こうに、赤毛がちらちらと動くのが見えた。
「メイ!」
呼び掛けながら近付いていくと、「エミリー様!」とニコニコの笑顔が返ってくる。
体調は回復したようで、良かったと胸を撫で下ろした。
メイが一人でいた売り場は、女の子が喜ぶようなところではなかった。
棚には、例のへんてこなオブジェのミニチュア版がたくさん置いてあるし、四角をモチーフにした様々なグッズが置かれていた。
ここの、オリジナル製品、のようだけど・・・?
「・・・メイ?これを、買うの??」
「そうです。ジェフのお土産にするんです。いいですか、エミリー様。これは、ここにしかないものなんですから、今しか、買えないんです。しかも、見てください!ギディオン王国王子様ご成婚記念!のオブジェがあるんですよ!これは、今年、限定なんです」
館長さんがこっそり教えてくれたんです、見逃せません!
そう言いながら選ぶメイの瞳は、とっても真剣だ。
ジェフにお土産にするのなら、あちらの革製品のほうがいいのでは?と思ったことは、言わないことにした。
きっと、メイなりの心があるのだろうから。
兎に角、と、急いでシャルルに関することをメイに知らせて、今度は、リードの姿を探す。
と。
棚の向こうから、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
ようやく、見つけた。
「―――リードさん!」


