「うそ!嬉しい!ありがとう!」



まさか弟から、サプライズプレゼントがあるとは思わなかった。


太一はいつも、歳上のあたしをからかっているから。



「何コレ?香水?
綺麗な瓶だね!」



太一がくれたガラスの瓶は、ささやかに届いた日差しを受けて、七色に輝いた。


中には琥珀色の液体が入っている。



「うん、そう。

姉ちゃんもそろそろ、見た目や色んなところに気を使いなよ」



太一はニヤニヤと、すっぴんのあたしを見下ろす。



「ば、バカにして……可愛くないな。

でもありがとう!使わせてもらうね」


「うん、毎日使ってよ」



素直にお礼を言うと、太一は照れ臭そうに目を細めた。



「良い誕生日だったなぁ……」


「……まだ始まったばかりだろ……」



ホクホクと香水の瓶を握りしめるあたしに、太一が呆れた声で言った。