六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



そう、母はその為に夢見姫を恨みました。


そして、月日が経って……。


母の想い人が、囁いたのです。


自分が族長になる手助けをしてくれないか、と。


そう。


母の想い人は、岡崎滋様でした。


母は滋様の為に、

夢見姫の予言を星で見たと、嘘をでっちあげました。


一族の者が信じてしまうほど、

【夢見姫】と私の母の星見の影響は絶大でした。


そう、母の個人的な恨み……

そして思慕のために、瑛様の父上様は殺されてしまったのです。


そして、度々意識だけで星を渡り、

夢見姫の予言を盗み見たりもしたみたいです。


そうして、【六花の翼】の予言や、まりあさんの存在を知りました。


これは岡崎一族……

いえ、表の世界に出たがっている滋様の脅威になると思ったのでしょう。


だから母は……。


星で見たと偽り、

「夢見姫の力を手にいれろ」と滋様に進言したのです。