六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】




我ら知立家の星見は、代々岡崎一族に仕えてきました。


特に力の強い星見の姫は、

力を無くさないよう、結婚を禁じられました。


そう、夢見姫と同じです。


音羽家と違うのは、知立家では男にも力が受け継がれる事。


そして、星見はいくら念じても、

男性と交わらずには子は産めません。


知立家の星見の姫達は、

年頃になると結婚し子供を産むか、一生星見として生きるか。


その道を定められます。


定めるのは……


他でもない、先代までの夢見姫でした。


岡崎一族は、夢見姫に星見姫を会わせ、

力の強弱を調べさせたのです。


これは、他の一族は知らぬ事。


そして、夢見姫もそれを口外はしませんでした。


例え、同じ音羽の者に対しても。


だから、あなた達が知らないのも無理はありません。


……話を戻しましょう。


私の母も、ある日夢見姫に道を定められる事になりました。