清良の言うことは、わかる。
わかるけど……。
「……?」
キィィィィィ。
突然、耳鳴りのような音が部屋に響く。
「結界が……」
耳を押さえて、留衣さんが立ち上がった。
「結界に、何者かが侵入しようとしてる。
様子を見てくるよ」
「まさか、岡崎一族の忍?」
「……そんな強い気は感じないけれど……」
清良の質問に、留衣さんは首をかしげながら答えた。
「不気味やなぁ。
皆で行った方がええんちゃう?」
「うん。
留衣さん、俺達もついていきます」
「それは心強いな」
留衣さんは小さく笑った。
あたしがアッサリさらわれた事で、
皆が神経質になっているのがわかった。
仲間と離れるのが、こんなに心細いなんて、
あたしも知らなかったのだから。



