六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



とにかくあたしは、皆を集めて事情を説明した。


瑛さんは、岡崎滋に言われて、あたしをさらった事。


そうしなければ、お母さんに二度と会えないと脅されていた事。


先代夢見姫のせいで、父親が殺されたのだと思っていた事。


アキちゃんが消えてしまった事。


儀式の事。


結局、瑛さんが助けてくれて。


六花の翼で、ここまで逃れてきた事。





「お願い、皆の力を貸して。

瑛さんを助けたいの……!」


あたしは皆に頭を下げた。


「せやけど、忍が何百人とおるんやろ?」


「そうだね。

しかも、まりあは中しか見てこなかった。

忍の一族の村だ。

侵入するまでに、たくさんの罠があるに違いない」


オーリィと留衣さんが、渋い顔をする。


「けど、姉ちゃんを助けてくれた……」


太一が助け船を出す。


「でも、元々瑛がまりあを連れて行かなければ、

こんな事にはならなかったのよ」