目が覚めたのは、全く知らないベッドの上だった。


何度かまばたきをして、やっと焦点が合いはじめる。


「……清良……?」


ベッドの横で、目をつむって座っていた清良に話しかけると。


彼女は、ハッと顔を上げた。


「まりあ……!」


「清良……ここ、どこ……?」


ぼんやりした頭で聞くあたしに、清良は涙目で答える。


「音羽家所有の、別荘だよ。

岡崎一族の村に近いの。

アンタを追って、着いたところだった……」


そうなんだ。


お母さん、ちゃんと留衣さんの夢に出てくれたんだね。


そして、皆が助けにきてくれた。


ちょうどここに着いたところで……。


「あたし……六花の翼を……」


「まりあ、とにかく今は休んで」


「六花の翼……!

瑛さんは……!?」


今見たばかりの夢は、夢じゃなかった……。


瑛さんは、一人で村に戻ってしまったんだ。