まっすぐに差し出された手をとると。 彼の力強い腕で、きつく、きつく、抱き締められた。 ばさ、ばさ、と翼が羽ばたく。 あたしは遠くなっていく意識の中で、必死に祈った。 この人と一緒に、帰ろうと。 瑛さんの帰る場所は、新しくあたしが作るんだ。 と。 そして。 あたし達は共に、冷たい夜空へ飛び立った。