「おはよう、まりあ」
居間の襖を開けると、既にお父さんと太一がテーブルについていた。
お母さんがお味噌汁を運ぶのを手伝ってから、自分もいつもの場所についた。
「いただきまーす」
全員テーブルについて、朝食を採る。
我が家は今時珍しいのかも知れない。
「まりあ、今日誕生日ね。おめでとう」
「ありがとう、お母さん」
「今晩は何が食べたい?」
「んと……じゃあ、ハンバーグとケーキ!」
「姉ちゃん、子供みてぇ」
憎まれ口を叩いた太一の膝をパシッと叩いてやった。
いつも隣に座る太一は、いつの間にかあたしより少し背が高くなっていた。
そう、あたしは今日で17回目の誕生日を迎える。
お母さんにお祝いされただけで、なんだかウキウキしてしまった。