「おぉ~、こうなってたんか!」
地下の書庫を見て、オーリィは目をキラキラさせた。
「あんまり、触らないでね」
「はーい。
触っても読まれへんし、安心して」
オーリィはあてもなく書庫を見物しはじめる。
あたしはそれを横目で見ながら、念じた。
何せ、時間がない。
(岡崎一族……
岡崎瑛さんに関する資料を、ここに……)
あるかどうかもわからない。
しかし、念じずにはいられなかった。
(なんでもいいから、岡崎一族の資料をちょうだい!)
すると……。
オーリィの目の前から、一冊の本がふわりと棚から浮いた。
そしてあたしの元に、ふわりふわりと浮かんできた。
「お?
もしかして、力の封印がどーたらって本?」
「ごめん、違うの。
ちょっと待ってて」
シュンとしてしまったオーリィに、悪いなと思いながら。
あたしはその本を手にとった。



