夢の中で、瑛さんが叫んだ一言がこだまする。


『父上は【夢見姫】のせいで殺された』



ただの夢だよね?


そう言い聞かせる。


そうでなければ、瑛さんが音羽家の依頼を受けるわけない。


でも……。


あたしは、清良を起こさないようにそっと寝床から出た。


ささっとマキシワンピだけを着て、部屋を後にする。


瑛さんが帰るのは、今日の昼。


それまでに、確認しなきゃ。


この根拠の無い胸騒ぎと不安を解消しなきゃ。


瑛さんと、笑って別れられない。


あたしは蔵の鍵を握りしめ、まだ暗い外へ出ようとした。


その時。


「何してんの?」


急に、声をかけられてしまった。


振り返ると、オーリィがキョトンとした顔でこちらを見ていた。


「オーリィ……ちょっと、調べもの」


「こんな時間から?

どうしたん」


「ちょっと……気になる事があって」