「そんなの、いつでも願うよ。 瑛さん、あたしだけは、 絶対、貴方の幸せを、願うよ。 何回だって、言うよ」 幸せに……。 そこまで言いかけた唇を、手のひらでふさがれた。 「いい」 「瑛さん……」 「……覚えたから」 「…………」 「絶対に、忘れない」 そう言うと。 彼は、濡れた頬で笑った。 無理やりに。 それでも、綺麗だった。