「だからきっと……大丈夫です」


「無責任な」


「そんなに悲観しないで。

世の中には、好きな人と子供を作ることすら、

許されない者もいるんだから……」


瑛さんの瞳から、厳しさが無くなった。


その紫色は、今までの夢見姫や、

あたしの運命を哀れんでいるように思えて。


悲しかった。


でも。


あたしは泣かない。


「どうにも息抜きしたい時は、

またこうやって皆で遊びましょう?

奥様も、一緒に……」


そんなこと、できるわけがない。


瑛さんはそう言うように、視線をそらした。


……わかってます。


だけどね。


「せっかく、仲間になれたんだから……」


あたしは無理やりに笑顔を作った。