六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



「まりあ~、愛してるでぇ~♪」


そしてオーリィは、セクハラオヤジに。


主役の瑛さんは、そんな騒ぎを冷めた目で眺めていた。


「おーし、全員、庭に出ろー!

鬼ごっこするぞ、鬼ごっこ!」


「おー!」


「えー!?」


太一が突然叫び、同意した清良とオーリィが、

あたしと瑛さんまで炎天下の庭に連れ出す。


オーリィに簡単にルールを説明してから。


あたし達は鬼ごっこだとか、だるまさんが転んだだとか、

子供のような遊びをひたすら続けた。


遠くに陽炎が見えるほど暑い。


すぐに全員が汗だくになった。


「もー、なにこれ」


「えー、意外と楽しくない?

てかまりあも、ムキになってんじゃん」


「なってないし!」


「……とにかく、そろそろ中に入らないか」


瑛さんの提案に、太一が賛成した。


「中か……じゃあ、かくれんぼだ!」


「はぁ?まだやるのか?」


「瑛さんもムキになってたくせに!」