そう。 苦しい思いも、いっぱいしたけど。 同じくらい、幸せな胸の高鳴りをもらった。 「……本当に、いいんだね?」 太一が静かに言う。 「うん」 あたしはうなずいた。 「……じゃあ、最後にもう一つだけ、思い出作ろうか」 「どういうこと?」 「皆でさ、パーッと遊んで送ってやろうよ。 今日も留衣さん仕事だしさ」 太一はそう言って、にこりと笑った。