六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



そう。


苦しい思いも、いっぱいしたけど。


同じくらい、幸せな胸の高鳴りをもらった。


「……本当に、いいんだね?」


太一が静かに言う。


「うん」


あたしはうなずいた。


「……じゃあ、最後にもう一つだけ、思い出作ろうか」


「どういうこと?」


「皆でさ、パーッと遊んで送ってやろうよ。

今日も留衣さん仕事だしさ」


太一はそう言って、にこりと笑った。