六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



「あたし、あの方法では封印できません」


キッパリ言うと、留衣さんは困ったように笑った。


「そう……」


「だから……

他の方法を知りませんか?」


「え?」


「処女を捨てる他に、

封印の方法は……無いんですか?」


じっと見つめると、その瞳はますます困った色をした。


「……調べなきゃわからないな……ごめん」


「……そう、ですか……」


期待ハズレの答えに、うなだれてしまう。


すると留衣さんは、慰めるようにあたしの頭をなでた。


「明日はまた、仕事だから……

夜でも良ければ、一緒に書庫へ行こう」


「あっ……はい!」


勢い良く返事をすると、留衣さんは手を離す。


「……瑛は?」


「え?」


「封印の方法について、何か言ってた?」


彼の名前が呼ばれ、胸が苦しくなる。


無意識にそらした視線を、不自然に思われたのだろうか。


留衣さんが、首をかしげた。