その日の夜……。
「失礼します」
仕事から帰ってきた留衣さんの部屋を訪ねた。
「やぁ。
ケーキを買ってきたから、皆で食べようか?」
「ケーキ?」
「瑛の誕生日だって、琴さんが言ってただろ?
しかし、すぐ帰ってしまったみたいだね。
残念だな」
あぁ……そうか。
誕生日に叩かれるなんて、瑛さん災難だったな。
いや、あれは彼が悪い。
どう考えたって。
「で、話って?」
「あ、そうだ。
あの、力の封印の方法なんですけど」
「……見つけちゃった?」
「はい……」
うなずくと、留衣さんは小さくため息をついた。
「すまないね、黙っていて。
これでもキミの兄だから、
幼い妹に薦めたい方法じゃなかったんだ」
幼いって、人を幼児みたいに。
留衣さんから見たらそんなもんだろうけど……。
まぁ、それは置いといて。



