清良が止めてくれなければ。


俺はまた、彼女を泣かせてしまうところだった。


どうしようもない。


結局は、突き放す事しかできないのに。





俺が、岡崎瑛でなかったなら。


彼女が、夢見姫でなかったなら。


まだ、救いがあったのだろうか。


これから起こる悲劇を、回避できたのだろうか。


お前なら、許してくれると思った。


そんな戯言を、俺はいつまで使うつもりなのだろうか。



これから俺がすることを、彼女は絶対に許せないだろう。


きっと、彼女は俺を息絶える瞬間まで、憎む。



ああ。


大嫌いと言われただけで、こんなに呼吸が苦しいのに。



もう、彼女の涙は見たくないのに。



そんなことを思うなんて。



俺、が、



壊 れ て い く



変 わ っ て い く





そ れ は、 恐 怖。