いつか、わかりあえると思ってた。
少しずつ、近づけてると思ってた。
何も、聞かなくても。言わなくても。
自分の運命に立ち向かうあたし達は、同じ傷を負って。
必死で、自分自身を繋ぎとめたくて。
そんなところが一緒だから。
わかりあえると、思ってたのに。
恥ずかしくて、みっともない。
だけど、涙が、悲鳴が、止まらない。
「……もう、泣くな……」
絞り出すような瑛さんの声が聞こえる。
「貴方が、泣かせたんでしょ!」
思わず顔を上げると。
「わかってる。すまなかった」
瑛さんが、謝った。
意外な事に、声が出なくなる。
「…………」
「すまなかった……」
こつん。
瑛さんが下げた頭が、あたしの額にぶつかった。
「俺が、悪かった」
そう言って。
彼はもう一度、謝った。



