六花の翼〈リッカ ノ ツバサ〉【完】



「夢見姫も、普通の巫女と同じようなものだったという事か」


「やっぱり、登喜さんは……

子供を残した後、博嗣さんと結婚して、

妹と夢見姫を交代した……」


「……すなわち、

男と交わったから、力を無くした……」




沈黙が流れる。


神様に仕える巫女達と同じ。


夢見姫が誰のものにもなれない、もう一つの理由。


それは。


男女の交わりで、力を無くしてしまうから……。


「でも、登喜さん以外はそんな人……」

「いないな。

この事で、その妹と子供の間で激しい継承者争いが起こったらしい。

それを教訓にして、誰もその後は、結婚をしなかった」


瑛さんは、そう書いてあったのであろう本を、机に置いた。


そして、こちらを見て問いかけた。



「……どうする?」


「どう、って……」


「……方法は、わかったが……」


「…………」